「ていうか、羽依とクラス離れただけでもムリなのに」
「その話は今関係ないでしょー」
はい、出た。
隙があるとすぐこの話題。
いくら嘆いたって今更クラスは変わらないんです。
「今回のテスト頑張ったらご褒美ちょーだい、羽依」
「…ご褒美?」
半信半疑。
そんなんでほんとうにやる気出るの?
「たとえば、どんなの?」
「キスとか」
「却下」
「ハグとか」
「却下!」
「膝枕でも…」
「ぜんぶ! もれなく! 却下!!」
図書室、誰も人いなくてよかった。
うるさくしちゃった。
…だって、ろくでもないこと言うから、目の前の男子が。