…ヒヨってね、子犬でもなんでもない。
今にも食べられそうだと、強く思う。
子犬って、放っておいたら成長するらしい。
それも、狂暴なオオカミへ。
『羽依ちゃん』なんて、もう呼ばれないけど。
あたしがいなくなっても泣かないけど。
…あたしのこと、誰よりも愛してくれる。
可愛いワンコじゃ物足りない。
肉食くらいで、ちょうどいい。
「羽依」
今度は、ヒヨがあたしの名前を呼んだ。
顔をあげると、真剣な眼差し。
「…食べたい」
ほら、そうやって。
色っぽい目線であたしを捕らえる。
「うん」
「…いいのかよ」



