【完】子犬なんかじゃないから、いただきます。







「ヒヨ」




まだ明るい教室。
誰もいない三階。



あたし、机から身を乗り出して、ヒヨのネクタイを引っ張った。




ほんの数秒、触れただけのキス。



それだけで、あたしの想いを詰め込むにはじゅうぶんだった。





だって、ほら。
ヒヨ…顔真っ赤だよ?




愛おしくて、弟みたいだった子犬系幼馴染。



『羽依ちゃん、羽依ちゃん』ってうしろをついて回って。



あたしの姿が見えなくなると泣いた。




だけど、今のヒヨを見てたら。




愛おしいのは変わらず。


弟みたい? 部分的にはそうかもね。




いちばん大きく違うのは、子犬ってとこ。