入学して一か月。
桜はもう完全に散った。




散って最初の頃は桜のじゅうたん出来てて綺麗だったのにね。




そして、学生の本業。
はじめての定期テストがもうすぐやってくる。





「無理だ…」


「ムリじゃないよ」





さっきからこの押し問答。
場所は図書室。超静寂。




相手は、ヒヨでも、育吹でもないよ。
ましてや琴音でもないよ。






「こんなの公式当てはめるだけだよ」


「…意味不明」






勉強ってね、人に教えるのめちゃくちゃ大変らしい。



二度と経験したくないかも。




あたしの目の前で机にうなだれるダークブラウンの髪。
ふわふわにセットされたソレ、崩したくなる。