「あたしの運命のひとはね、ヒヨなの」
「…俺?」
だんだん、心拍数が上がっていく。
顔は紅潮して。
冷静じゃいられなくなる。
「ヒヨじゃなきゃダメだって、今更気づいた」
「…羽依?」
「今からでも遅くなかったら、言わせて」
この空気になってはじめて。
ちゃんと、ヒヨの目を見た。
…心臓うるさい。
ちょっとだけ、静かにしてて。
「あたし、この先もずっとヒヨの隣にいたい、です」
小さく吐いた息が震えた。
…怖い。やっぱり、怖いよ。
「幼馴染としてじゃなくて。……彼女として」
ヒヨ。
大きく目、見開いた。



