【完】子犬なんかじゃないから、いただきます。






「いらないならいーけど?」


「わーっ、いる! いります」




慌てて訂正して、アイスコーナーに走る。
せっかくのご厚意、無駄にはできないからね。



すこし悩んだけど…。
うん、やっぱりこれ。



最近ハマってるクレープのアイス。
ふわふわで甘くておいしーの。





「それで決まり?」


「うん」




ありがとう、って言いながらヒヨにアイスを渡した。



レジに向かって歩を進めながら、ヒヨは言う。





「いいけど、代わりに連絡先ちょーだい」


「…へ?」


「羽依の連絡先、もらってなかったから」





下から見上げたヒヨの顔、すこし照れてた。
…まさか、ヒヨのほうから言ってくれると思ってなかった。