幸せ気分で遠くに目をやる。
ドクン。心臓が嫌な音を立てた。
ぼーっとするあたし。
ヒヨは不思議そうにあたしの向いてる方向を見る。
”その人”は、すぐこっちに気づいて、軽く会釈。
そのあと、数秒も待たずにそっぽを向いてどこかへ行ってしまった。
…原田さん。
住んでるの、このへんなんだ。
だけど、なんか。
よそよそしかった?
「原田さんいたね」
「うん」
ヒヨを見上げても、気にせずスマホを見てる。
…というか、気にしないふりをしてる。
「違ったらごめんなんだけど」
「ん?」
「……原田さんと、なにかあった?」



