境内、にぎわってる。
初詣って、三が日あるからね。
夏祭りほど濃縮されてない。
だから、まぁまぁ歩きやすい。
浴衣じゃなくて、普通に私服だしね。
下駄じゃないしね。
「チョコバナナ食べたい」
「まずお参りだろ」
「そっか……」
あっさり却下された。
鳥居から一直線で神様の元へ向かうヒヨ。
その背中を眺めてた。
「……あ」
「へ?」
急に立ち止まったヒヨにぶつかりそうになる。
な、なに?
そろーっとヒヨの背中から顔を出して遠くの方を見ると。
「あっ」
見間違いじゃない。
琴音と育吹だ!
あたしはヒヨの手から離れて、二人の元へ駆け寄る。



