【完】子犬なんかじゃないから、いただきます。






「昔から思ってたのよ。羽依ちゃんが日依と結婚してくれたら、老後も安泰だなぁって」


「……け、けっこん…」






気が早いです、お母さん。
まだ…付き合えるかどうかすら、わかんないのに。



いたたまれなくなって、カフェオレをひとくち。





「引っ越して羽依ちゃんと離れ離れになったときも、日依のやつ、わんわん泣いてたよなぁ」


「ぶっ」




今度はあたしが吹いた。
ごほごほ。…むせちゃった。




…ヒヨ、泣いてたの?
あたしと離れたから?




事実確認のためにヒヨの横顔を見つめてみたけど、顔を赤くするだけでなんとも言わない。



しまいには、「こっち見んな」とそっぽ向かれる始末。