あたしの気持ち…知ってたの?
知ってて、告白してくれたの?




そう思うと、余計胸が苦しくて。



出来れば、葵のことを好きになってあげたかったな…なんて思ってしまう。




だって、ヒヨは。


…あたしのこと、ただの幼馴染としてしか、見てない。




きっとね。
…たぶんね。




確信してるわけじゃないけど。
…だけど、まだヒヨに想いを伝える勇気なんて、ないよ。





「羽依ー?」


「…ん?」





今度は、両親の部屋からお母さんの声が聞こえた。
いけない。またぼーっとしてた。




パンッ、と両頬を叩いて、声をした方へ足を動かす。