【完】子犬なんかじゃないから、いただきます。







『葵ーっ、遅いよ!!』




遠くから俺の名前を叫ぶ羽依。
ぴょんぴょんと飛び跳ねるその姿が、太陽のような、小動物のような。



…とにかく可愛くて、くらくらした。





『葵、見て見て』





事前にメールで俺の受験番号を送っておいたから、先に探しといてくれたみたい。




羽依の弾んだ声。
嬉々として鼓膜を揺らす。




俺の番号……あった。





『やったね、葵。春から同じ高校だ』


『…うん』




やべ。
今なら、泣いてもいい。



感極まって泣きそうになる俺を見上げて、困ったように眉毛を下げて笑う羽依。




羽依は知らないでしょ。
俺がどれだけ羽依と一緒にいたいと思ってるか。