【完】子犬なんかじゃないから、いただきます。






『俺も同じとこ受ける』





息を吐くようにそういうと、羽依はゆっくり俺のほうを向いた。




その目に、吸い込まれそう、だと。
何度も…何度も、思った。





『…ほんとうに?』


『うん。本気』


『そっか。同じ高校通えるんだね』





もう受かった気でいる羽依に。





『まだ受かるかわかんないでしょ。羽依は大丈夫だろうけど……特に、俺が』





自分で言ってて情けなくなってきた。
こんなことになるなら、普段から真面目に授業きいときゃよかった、なんて。



考えても仕方ない後悔で、視線を落とすと。





『うん、だからさ。受験まで、一緒に勉強会しようよ? 葵』


『……え』


『一緒に受かって、同じ春を迎えるの』