そんな光景を見ると、俺はすぐ不機嫌になって、そのたびに。 『あー、葵、またご機嫌斜めだ?』 って、羽依が俺の前まで来て笑いかけて。 『そんな葵くんには、飴ちゃんをあげよう』 『……いらない』 そうやって拗ねてみせても。 『もう。ワガママばっか言ってると口移しで食べさせるよー?』 『っ……!?』 また、一枚上手なことを言う。 俺は昔から、羽依にだけは敵わない。 いつだって、本当に口移ししてくれたらいいのになぁって思ってたし。 羽依にだったら、なにされてもよかったんだよ……ほんとうに。