それから、おもむろにハンカチを取り出して、俺の口についた血を拭う。
『あ、でも』
俺は気が付けば、ソイツから目が離せなくなっていた。
はじめて、誰かに対して”かわいい”なんて感情を抱く。
『せっかく綺麗な顔してるのにもったいないよ。傷のないバージョンの顔も見てみたいなぁ』
…綺麗?
俺に対して、綺麗って言ったの、コイツ。
分かんない。
俺に優しくする理由も…なにもかも。
『あ、顔真っ赤』
『え…』
赤面なんて、はじめての経験。
常に冷めて生きてきたから。
自分の顔をぺたぺたさわって確認すると、確かに火照ってた。



