『ねぇ、どうしたの? 眠いの?』
『……は?』
重いまぶたを開くと、俺の前でしゃがんで顔をのぞき込む小綺麗な女子生徒。
セーラー服。
赤いリボン。
長い黒髪。
学校規定の長さより、いくらか短くされたスカート。
…まぶしい。
直感で、そう思った。
なにも疑わないような澄んだ瞳が、俺を見透かす。
柔らかそうな唇がにっと弧を描いた。
『喧嘩?』
『……』
喋る気力もなく黙り込む俺にも、その子はめげずに話しかけてきた。
『口の端切れちゃってる。あたし絆創膏持ってるよ』
『……いや』
『あ、でも…消毒とか先にした方がいいよね』



