「おかえり、羽依」
「ただいまぁ」
ローファー、雑に脱いで。
リビングのソファにスクバを投げ捨てる。
ほんわかしたうちのお母さん。
キッチンに立って夕飯の準備中。
母親の偉大さを毎日実感してるよ。
あたしも将来はこうなるのかなぁ。
「学校どうだった?」
「ん、楽しかった。また琴音と同じクラスだったよ」
「あら、よかったねぇ。また手土産渡さないと」
トントン、包丁を叩く音。
お母さんの手さばき見てるだけで料理出来る気がしてくる。
「そういえばお母さん」
「んー?」
手を止めないで、耳だけ傾けてくれる。
お母さん、大ニュースだよ。



