【完】子犬なんかじゃないから、いただきます。






ふと、中学のときの思い出がよみがえった。



羽依にはじめて恋をしたときのことは、今でも夢に見る。




中学に入りたての俺はとにかく荒れてた。
家でのストレスを拳にぶつけて。





人を殴ってるときは無心になれた。
それで俺が怪我をしても、どうでもいい。




どうせ俺を心配するやつなんかいないし。
内心、超諦めモード。




兄ちゃんが優秀だったから、両親は俺を蔑んだ。



家にいれば、『お前も少しは勉強しなさい』『みっともない』って…そればっか。




もう正直。
飽き飽き。




悪い意味だとしても、俺は外の世界では特別扱いされた。




『天崎葵って、人殺しなんでしょ?』




そんな、ありもしない噂だけが独り歩き。
否定なんかしなかった。
周りの人間や評価なんか、興味ない。