【完】子犬なんかじゃないから、いただきます。






あたしが着くと、ヒヨはもうプレゼント用のラッピングを抱えて待ってた。




「おっせー」




って、いつかにも聞いた言葉。
その声が、大好きだった。




「ごめん」




モールの通路に置かれたソファ。
ヒヨのとなりに腰を下ろす。





「手っ取り早く渡そうぜ」


「うん」




お互いの買って来たものを交換。
重さはあたしのと同じくらいだけど…?




「せーの」で、同時に包装紙を開けた。




…開けてみてから、ふたりで顔を見合わせる。




「もしかして、これ、マフラー?」


「…羽依も?」




そして、何が起きたか理解したあたしたち、くすくすと笑い合う。




まさか、バラバラにプレゼントを買って集合しようって言って、ふたりともマフラーを買ってきちゃうなんて。