そのまま、体が離れて…。
あたしは目を見開く。
だって。
ヒヨの手には、あたしのスマホが握られていたから。
「えっ……な、なんで!?」
「チャックついてるカバン使った方がいいよ」
さーって血の気が引いていく。
確かに、あたしが今日持ってるミニバッグはチャックも何もついてない、けど…。
あ、てか、それだけじゃないよ。
「あたしのスマホでなにしたの…?」
「ん? これ」
ヒヨに画面を見せられた。
液晶に映るのは、あたしと葵のトーク画面。
最後に送られた、【今日熱出たからいけなくなった】というメッセージ。
こんなの、あたし送ってない。
…ヒヨが、今の一瞬で勝手に送ったの…?



