「端的に言うとさ」
うしろから、あたしの首元に顔をうずめたヒヨ。
ちゅ、と軽くキスを落とす。
「──羽依のこと、食べたい」
世界がスローモーションになった。
…あたしの、聞き間違い?
だけど、がぶりと嚙みつかれた首元の痛みのせいで、”聞き間違いかも”という希望は打ち砕かれた。
「いっ……」
涙目。
た、食べたいって、だいたい比喩じゃないの?
本当に噛むことある?
「…ごめん、羽依」
謝りながら。
今度は、さっき噛んだ場所を優しく舐める。
ゾクゾクする…っ。
恋愛とか、数だけこなしてきたけど、こんなの慣れてないよ…。



