「卒アル見ていい?」


「あー…うん、いいよ」




一瞬迷っちゃった。
でも別に変な写真はなかったはず。




ローテーブルの上に中学時代の卒アルを広げるヒヨ。
なっつかしい。




「いた、羽依」


「ほんとだ。セーラー服だね、似合ってない」





やっぱり高校はブレザーのとこにして正解。
全然似合ってないもん、こうしてみると。



鈴森羽依、の名前の上に堅苦しい真顔のあたし。



最後くらい笑えばよかったのに。
真顔でって指示受けてたんだっけ? このとき。



もう覚えてない。
まだ卒業から半年しか経ってないのにね。




「やっぱ、羽依がいちばんだな」


「…いちばん?」


「うん」


「いちばん、何?」




ヒヨの横顔を眺める。
期待の眼差し。