ケーキを食べ終わってお皿を洗ったあと、ヒヨが一言。




「羽依の部屋見てみたいんだけど」




…あたしの部屋?
そういえば、朝迎えに来てくれるときもリビングまでしか入ったことなかったっけ。



ま、いっか。
ちょうど今日掃除したばっかりで綺麗だし。
面白いものなにもないけどね。




「いいよー、こっち」




いつもあたしがあわただしく部屋を出入りしてる様子だけ見てるから、部屋の位置は知ってるだろうけどさ。



部屋に入るなり、ぐるーっと一周見渡すヒヨ。
まじまじ見られると恥ずかしい。




「意外とシンプルだな」


「そう? こんなもんじゃない?」


「女子って、もっとぬいぐるみとか大量に置いてあるもんじゃないの」


「…それは、少女漫画の中だけ」




知らないけどね。
世の中にはそういう女子もいるんだろうけど、あたしは寝るだけの部屋にこだわりない。