そして、小学校にあがるのと同時にヒヨは親の転勤で引っ越していった。 そのとき、確かに言ってたね。 『大きくなったら迎えに来るから』 って。 …大きくなったら、は普通成人してからのことでしょ? まさか高校1年生で再会するなんて思ってない。 心の準備も、全然出来てない。 そばにヒヨがいるってだけで、心臓が張り裂けそうになる。 「羽依」 現実に引き戻されるみたいに、腕を引かれた。 ぐいんってうしろに倒れた体が、ヒヨの腕の中に収まる。 ドッ、ドッ…って、心臓うるさい。 鎮まれ。