【完】子犬なんかじゃないから、いただきます。






ふたりの世界に浸っていたらね。
邪魔って絶対入るんだよね。





「ひよくん!!」





…ひよ、くん。



なにそれ。
ヒヨって呼んでいいの、あたしだけだって勝手に思ってた。




教室の中から出てきた原田さん。
化け猫のコスプレ。



あーあ。
そういうことね。




分かりやすく腕なんか絡ませちゃって。
…ヒヨのこと大好きな顔してる。





「お迎えきてくれたの?」


「…違うけど、まぁ……ちょうどいいし、行くか」


「うんっ」




ふたりで一緒に回るんだね。
いいけど。あたしも葵と回るし。




「なにあれ。日依くんには絶対羽依ちゃんがお似合いなのに」


「あは……」




なんかね。
笑う気力もない。



琴音の横で、育吹も「見せつけてるのか知らないけど、あれは見てられないな」と辛らつな言葉を吐く。




そのタイミングで。



『ただいまより文化祭をはじめます』というアナウンスがかかって、あたしたちの高校最初の文化祭がはじまった。