【完】子犬なんかじゃないから、いただきます。







あたし、鈴森羽依は至って平凡などこにでもいる女子で。一方、幼馴染の城田日依は飛び抜けて顔が整っていた。




そのくせどこか女々しくて。
ちょっと目を離せばすーぐ泣いてたんだよね。





いっつも“羽依ちゃん、羽依ちゃん”って言いながらうしろをついてきて、あたしの姿が見えなくなると泣く。




背だってあたしのが高かったし、まぁ姉弟って言われても仕方なかったよね。





だけどそんな性格のせいで、ヒヨはよく男子からいじめられたりしてたわけ。





『ウジウジしてて気持ちわりぃ』


『羽依が居ないとなんも出来ない弱虫』




ってさ、酷いもんだよね。




そこであたしが助けに行くわけ。



あたしはヒヨのことが大好きだったし、ヒヨがいじめられてるの見過ごせるほど優しくなかったから。