「鈴森さん」
急に声かけられた。
クラスの男子。
ちょっとだけ緊張した面持ち。
「委員会、行こ」
あぁ、委員会ね。
そうだった。
あたし、文化祭の実行委員に選ばれたんだった。
忘れてたわけじゃないよ。
ちょっと記憶から抜け落ちてただけ。
「羽依ちゃん、委員会のこと忘れてたの?」
「忘れてないってば」
琴音までやめてよ。
あたし、立ち上がって男の子の元へ。
名前、確か内原くんだよね。
うん、ばっちり。
「スクバおきっぱなしでいいの?」
「どうせすぐ終わるから」
「そっかぁ」
内原くんに聞きながら、一緒に教室を出る。