「しっかり掴まって」
そんなヒヨの声が聞こえたのを最後に。
あたしの体、ふわっと宙に浮いた。
「ちょ……ちょっと…」
「なに?」
こっちを見向きもせずにツンというヒヨ。
これ…お姫様抱っこってやつじゃん…。
「は、恥ずかしい」
「目つぶっときゃいい」
そういわれて、あたしは目をきゅっとつぶる。
そもそもお姫様抱っこじゃなくておんぶとかでいいのに…。
あぁ、もう…。
あたしに”俺のこと男として意識してない”って怒るくせに、ヒヨだってあたしの気持ち考えてないじゃん…!
ドキドキして死にそうなの、あたしだけ。
…悔しい。



