【完】子犬なんかじゃないから、いただきます。






「そういえば、葵は誰と……」




待ち合わせしてるの、って聞こうとしたら。
それを遮るように、「葵ー!」と呼ぶ声。




「お前、遅いぞ……って、ありゃ」





茶髪。
耳にピアス。
…チャラい男の人だ。




でも、ちょっと見たことある。
葵と同じ8組の男子…。





「鈴森さんだ」





ドキ。
名前…知られてた。



すこし後ずさり。



その子はあたしの顔をのぞき込んで、柔らかく笑う。





「浴衣姿も超かわいいね」


「ありがとー」





褒められて悪い気はしないからね。
素直に感謝。




「羽依のこと口説くな」




葵がすぐさまあたしたちの間に入る。
口説かれてたの? 今、あたし。