【完】子犬なんかじゃないから、いただきます。






「なにしてんのっ」





ちょいちょいって、その人のそでをつまんで気を引く。
こんなところで会うと思わなかったよ、葵。




急に声をかけられた葵は驚いたようにあたしを見下ろす。





「え、な……羽依?」


「うん」





あたしだよ。
葵の顔がだんだん紅潮していく。




葵にお祭り誘われたの断った手前、ちょっとだけ気まずいな。





「あー……待ち合わせ?」


「そだよ」


「浴衣…」





小さくつぶやく葵にふふって笑って、家でやったみたいにくるっと一周回る。





「似合う?」




軽い気持ちで聞いてみただけなのに。
目の前の友人は、大きな手で口元を覆い隠して。