「やっぱり日依くんだから?」
「……ちがう」
違わないけど。たぶん。
…だって。
ちょっとでも、可愛いって思ってもらいたい。
それは、ヒヨ、だから…?
…うん、お母さんの言う通りだ。
「羽依は素直じゃないんだから。どっちに似たんでしょうねぇ?」
お母さんが、ソファに座って雑誌を読んでるお父さんに問いかける。
ずーっとなにも言わず黙ってたお父さんが、「さあな」と小さく言ってそっぽ向いた。
「お父さんって学生時代からあんな感じなのよ」
「想像つく」
お母さんとお父さんって、タイプ正反対に見えるけど。
…でもそれ言ったら、あたしとヒヨも同じだよね。