「はい、できたよ」





お母さんの声で現実に引き戻される。
全身鏡に映った自分を見て、「わぁ…」って声を上げた。





「ど、どう? 変じゃない…?」


「かわいいよ」





別に親の褒め言葉を真に受けるわけじゃないけど、背中を押してもらったみたいな感覚。




くるーって一周回ってみて、自分が浮かれてるの再認識。





「それにしても、羽依ってば急にどうしたの?」


「え?」


「今まで適当な私服でお祭りいってたのに、急に浴衣なんて」





お母さんに指摘されて、かぁって顔が赤くなる。
適当じゃないし…ちゃんと考えてたし。