【完】子犬なんかじゃないから、いただきます。






「……ま、どっちにしろ、俺のこと男として意識してないんでしょ」




ヒヨ。
そんなに切なそうな目、しないで。




…違うよ。
ヒヨはちゃんと男の子だよ。





「もっと俺のことだけ考えてたらいい」





そういって近づいてくるヒヨの顔を、





「…他の男なんか、見なくていいよ」





…あたし、拒まなかった。





ちゅ、と首筋にキスを落とされて、肩が震える。



どうしてこんなことするの? って…聞けなかった。




なんでかわからないけど。
ヒヨがやけに焦ってるように見えたから。





「ひ、ひよ……ストップ…っ」


「むり。やめない」





何度も繰り返されるキスの嵐。
だけど、首から上には一度もされなかった。




時刻、深夜3時過ぎ。



夏休みのスタートダッシュ。
ヒヨの気持ちが、余計分からなくなりそうです…。