「育吹、そのひとは?」
琴音。
話振らなくていいから。
もう無視しようよ。
「同じクラスの日依。意気投合して友達になった」
神様ってそんな優しくないよね。
遊び人になったあたしへの天罰?
…キツすぎるよ。
そろそろと琴音のうしろに立って、視線を少し上にあげると、ヒヨと目が合った。
…だけどよく見たら、小さい頃の面影がほんのり残ってる。
ほんとうに、ヒヨなんだ…。
信じたくないけど信じざるを得ない状況に、頭が軽くパニックになる。
…なんていうか、胸がいっぱいで張り裂けそう。
もう二度と会えないと思ってた幼馴染に、こんなところで再会するだなんて。
…そして、その幼馴染が、初恋の相手だなんて。



