「今谷、さっきのことだけど」
「すぐ返事しなくていいから」
遮られてしまった。いや、すぐに返事をしておかないと、うちには厄介な存在がいる。
「あのね、私……」
そのときだ。背後から私の肩にぽんと手が置かれた。
「葵、迎えに来たよ」
肩に手を置かれた時点でわかっていた。声を聞かなくても、成輔だって。
「なんで迎えにくるのかな~?」
私は羞恥とも怒りともつかない気持ちでぐるりと首をめぐらせる。成輔は涼しい笑顔で私と今谷に微笑んでいた。
「今日は吉祥寺に寄るって聞いていたから。仕事の帰り道だよ」
「成輔の仕事はこっち方面に用事があるの? 私、知りませんけど~?」
問い詰めようとして私はハッとする。今谷の方を向き直り、仕方なく成輔を紹介する。
「今谷、私の婚約者の風尾さん。成輔、こちらは同期の今谷くん」
婚約者がいることは伝えるつもりだったけれど、こんな形でご本人登場とは思わなかった。どこまでも私を信頼していないじゃない。
「こんばんは、風尾です。葵がお世話になっています」
「ああ、今谷です! 院田さんには今日も手伝ってもらいました。急に誘ってしまって、すみません」
今谷は驚いた顔はしていたが、さすが営業職。すぐに朗らかな笑顔になり成輔に挨拶をしている。
「すぐ返事しなくていいから」
遮られてしまった。いや、すぐに返事をしておかないと、うちには厄介な存在がいる。
「あのね、私……」
そのときだ。背後から私の肩にぽんと手が置かれた。
「葵、迎えに来たよ」
肩に手を置かれた時点でわかっていた。声を聞かなくても、成輔だって。
「なんで迎えにくるのかな~?」
私は羞恥とも怒りともつかない気持ちでぐるりと首をめぐらせる。成輔は涼しい笑顔で私と今谷に微笑んでいた。
「今日は吉祥寺に寄るって聞いていたから。仕事の帰り道だよ」
「成輔の仕事はこっち方面に用事があるの? 私、知りませんけど~?」
問い詰めようとして私はハッとする。今谷の方を向き直り、仕方なく成輔を紹介する。
「今谷、私の婚約者の風尾さん。成輔、こちらは同期の今谷くん」
婚約者がいることは伝えるつもりだったけれど、こんな形でご本人登場とは思わなかった。どこまでも私を信頼していないじゃない。
「こんばんは、風尾です。葵がお世話になっています」
「ああ、今谷です! 院田さんには今日も手伝ってもらいました。急に誘ってしまって、すみません」
今谷は驚いた顔はしていたが、さすが営業職。すぐに朗らかな笑顔になり成輔に挨拶をしている。



