熱情滾るCEOから一途に執愛されています~大嫌いな御曹司が極上旦那様になりました~

「院田の名前、葵だよな。葵の花ってこういうところで売ってないの?」
「アオイの花も種類があるからね。園芸品種の苗は売ってたりするけど、タチアオイとかは圧倒的にそのへんに咲いてるイメージだよね」
「そっか。葵の花を買いたかったな」

なんで?という疑問の顔のまま今谷を見る。すると、今谷が言った。

「俺の好きな子と同じ名前の花って、家族に言えたから」
「……今谷の好きな子は、私と同じ名前……」
「いや、鈍いな、おまえ!」

ツッコミを入れて、慌てたように今谷は私に背を向けた。

「今、教えてもらったので店員に相談してくる」

そう言ってレジに向かって行ってしまった。
私はぽかんとそれを見送る。

(もしや、求愛されてしまったのか? 私は)

あり得ない珍事件勃発だ。今年はそういう年だろうか。成輔と婚約したと思ったら、同期に好かれるなんて、一生分の男運を今使っているのだろうか。

(どうしよう。とぼけた方がいいかな。意味がわかっていない振りをしたほうがいいかな)

いや、それはそれで不誠実な気もする。
やがて、店員に万事整えてもらった花の袋を手に今谷がもどってきた。

「買えた?」
「ああ、ありがとう」