熱情滾るCEOから一途に執愛されています~大嫌いな御曹司が極上旦那様になりました~

私は一日、荷解きの続きをやった。明日から普通に仕事だし、今日のうちに終えておきたい。
お昼ごはんに成輔作のカレーをいただく。

「う、うま……」

めちゃくちゃ美味しい。市販のルーを溶かしただけの味わいじゃない。
付け合わせに人参のマリネがあって、それもまた美味しい。
荷解きを終え、ダンボールを片付け、それから冷蔵庫のブランデーケーキを切ってインスタントコーヒーと一緒に味わう。

「なにこれ、プロ?」

ブランデーケーキもとても美味しい。洋酒につけ込まれたドライフルーツなんかは、絶対に一日二日でできるものではない。きっと日頃から洋酒漬けを作っているからぱっとできるのだ。

「CEOとは……。料理人の間違いでは?」

さすがに昼食の分も合わせて皿とカップを自分で洗い、ロボット掃除機を稼働させて居間で業界紙を読み始めた。時計の音とエアコンの稼働音。ゆっくりと暮れていく日。
洗濯ものを取り込み、自分でたたんだ。夕食分のカレーを再びあたためていると成輔が帰ってきた。

「ただいま。あ、カレー食べてくれてるんだね。キッチンに人参のマリネの他に、たまねぎの甘酢漬けがあるでしょう。そっちもよければ食べてね」
「成輔が漬けたの?」
「そうだけど? あ、洗濯ものたたんでくれたんだね。俺がやるのに。ほら、俺が担当でしょ」