熱情滾るCEOから一途に執愛されています~大嫌いな御曹司が極上旦那様になりました~

百合がふふっと笑った。

「お姉ちゃん、それこそ忘れてるんだわ。小学生のとき、お姉ちゃんしょんぼりして帰ってきたことがあったの」
「え? なんの話?」
「私がどうしたの?って聞いたら、ぽろぽろ涙を流して『成輔に彼女がいた』って。『成輔のお嫁さんになりたかったのに』って泣いたんだよ」

私はぶわっと変な汗が湧いてくるのを感じた。私がそんなことを言ったの?

「う、嘘!」

全然覚えていない。私の記憶では、成輔が女子と親しげに歩いていたところで止まっている。そこで初恋に冷めたのだ、と。

「私は覚えてまーす。小さい頃からつけてる日記を見せましょうか?」
「いい! 遠慮します!」

私は記憶力がよくマメな妹におののきながら、なおも言う。

「でも、本当に子どもの頃の話だから。私、もう二十五よ。同じ気持ちではいられない」
「ちなみに成輔さんは、その日からお姉ちゃんに距離を取られてかなりショックな顔をしていたわよ」

私は必死に思い出す。
確かに成輔が女子と交際しているのだと思った私は、露骨に彼を避けた。