「そんな葵ちゃんだから、結婚をお勧めしたいけどね」
成輔は数々の断り文句をさらっとスルーして言う。
「まず、俺は家事が超得意」
「ええ? そうなの?」
「知らなかったでしょ。葵ちゃんに会いに行くときは、毎回ケーキでも焼いて行こうか悩んだくらい」
どこまで本当かわからないが、成輔はさらに言う。
「仕事を頑張りたいっていう葵ちゃんの希望ももちろん叶えるよ。ご実家にいるよりは息苦しくないんじゃないかなあ」
確かに院田家にいると両親は色々プレッシャーをかけてくるだろう。私は華道家ではないと言っても、時間があればお稽古に参加させられる。両親は私が仕事をやめ、院田流のひとりとして活動していくのを喜ぶだろう。
「それに葵ちゃんが子どもをほしくないっていうのは、育児への不安や仕事に復帰できるかの問題が大きいんだろ。葵ちゃんが小さいお弟子さんの面倒をよく見てたの、俺は知ってるよ。子どもが嫌いってわけじゃないんだよね」
「それは、まあそうだけど」
「伊達に経営者じゃないんで、率先して産休育休を取るよ。育児は葵ちゃんと半分にできるよう努力する。きみが忙しいときは、俺が。俺が忙しいときは、きみが。ふたりともどうにもならないときは、両親や信頼するシッターを頼もう。きみのキャリアの中断が最小限で済むように、俺が協力する」
私は黙った。ものすごくいい条件を並べられている気がする。
成輔は数々の断り文句をさらっとスルーして言う。
「まず、俺は家事が超得意」
「ええ? そうなの?」
「知らなかったでしょ。葵ちゃんに会いに行くときは、毎回ケーキでも焼いて行こうか悩んだくらい」
どこまで本当かわからないが、成輔はさらに言う。
「仕事を頑張りたいっていう葵ちゃんの希望ももちろん叶えるよ。ご実家にいるよりは息苦しくないんじゃないかなあ」
確かに院田家にいると両親は色々プレッシャーをかけてくるだろう。私は華道家ではないと言っても、時間があればお稽古に参加させられる。両親は私が仕事をやめ、院田流のひとりとして活動していくのを喜ぶだろう。
「それに葵ちゃんが子どもをほしくないっていうのは、育児への不安や仕事に復帰できるかの問題が大きいんだろ。葵ちゃんが小さいお弟子さんの面倒をよく見てたの、俺は知ってるよ。子どもが嫌いってわけじゃないんだよね」
「それは、まあそうだけど」
「伊達に経営者じゃないんで、率先して産休育休を取るよ。育児は葵ちゃんと半分にできるよう努力する。きみが忙しいときは、俺が。俺が忙しいときは、きみが。ふたりともどうにもならないときは、両親や信頼するシッターを頼もう。きみのキャリアの中断が最小限で済むように、俺が協力する」
私は黙った。ものすごくいい条件を並べられている気がする。



