翌朝、成輔が出勤する前に母から連絡があった。百合が目覚めたそうだ。熱はだいぶ下がり、会話もできているという。
『今、岩千先生とお話ししてるから、私とお父さんは一度帰るわ』
「うん、お母さんたちも今日は休んで。具合悪くなっちゃうよ」
電話を切り、成輔を見る。
「一件落着、になるといいなぁ」
「なるだろうね。彼、やっぱり百合ちゃんを本気で好きだったんだ」
コーヒーの最後のひと口を飲み終え、成輔が立ち上がる。
「ありがとう。百合のために、岩千先生をけしかけてくれて。成輔、名演技だったよ。悪徳政治家か裏稼業のボスみたいだった」
「うーん、褒められてる気がしない」
「胡散臭い笑顔は地でいけるもんね」
「やっぱり褒めてないなあ」
私は成輔の肩に頭をこつんとぶつけ、言った。
「本当にありがとう」
「百合ちゃんは俺にとって本物の妹同然だから、変な男だったらあの場で接近禁止にしようと思ってたんだよ。半分、本気だった」
「結局、私と同じことしようとしてるじゃない。本当に頼りになりすぎるなぁ」
顔をあげると、軽くキスされた。
いたわるような優しいキスとまなざしがくすぐったい。
「きみも疲れてるんだからゆっくりして。百合ちゃんのお見舞いに行くなら、お腹が張ってないか確認して、タクシーを使っていくんだよ」
「はあい」
私はいい返事をして、愛する夫を見送った。
『今、岩千先生とお話ししてるから、私とお父さんは一度帰るわ』
「うん、お母さんたちも今日は休んで。具合悪くなっちゃうよ」
電話を切り、成輔を見る。
「一件落着、になるといいなぁ」
「なるだろうね。彼、やっぱり百合ちゃんを本気で好きだったんだ」
コーヒーの最後のひと口を飲み終え、成輔が立ち上がる。
「ありがとう。百合のために、岩千先生をけしかけてくれて。成輔、名演技だったよ。悪徳政治家か裏稼業のボスみたいだった」
「うーん、褒められてる気がしない」
「胡散臭い笑顔は地でいけるもんね」
「やっぱり褒めてないなあ」
私は成輔の肩に頭をこつんとぶつけ、言った。
「本当にありがとう」
「百合ちゃんは俺にとって本物の妹同然だから、変な男だったらあの場で接近禁止にしようと思ってたんだよ。半分、本気だった」
「結局、私と同じことしようとしてるじゃない。本当に頼りになりすぎるなぁ」
顔をあげると、軽くキスされた。
いたわるような優しいキスとまなざしがくすぐったい。
「きみも疲れてるんだからゆっくりして。百合ちゃんのお見舞いに行くなら、お腹が張ってないか確認して、タクシーを使っていくんだよ」
「はあい」
私はいい返事をして、愛する夫を見送った。



