熱情滾るCEOから一途に執愛されています~大嫌いな御曹司が極上旦那様になりました~

「彼女の価値をもっと高められる男をあてがいます。義妹の幸せは俺の幸せですから」
「……あなたはなんてことを……百合さんをなんだと……」

挑発は有効のようだ。この純朴な男性は、百合を商品のように扱う成輔に怒りを覚えている。

「あなたには関係ないでしょう。義妹の知人というだけ。むしろ、金輪際近づかないでいただきたい」

成輔が笑顔を冷たい無表情に変える。

「中途半端で覚悟も持てない男が、俺の家族を幸せになんてできるものか」
「私は……!」

岩千先生が言い返そうとしたときだ。私のスマホが音を立てて鳴り始めた。マナーモードにするのを忘れていた。
母の携帯の表示に嫌な予感がした。私は断らずに電話に出る。

「もしもし?」
『葵? 今、病院よ』
「百合に何かあった?」
『熱が下がらないから、夜間救急に連れて行ったの。肺炎を起こしていて、すぐに治療を始めないと危ないって』

私は顔をあげた。岩千先生が真っ青な顔でこちらを見ていた。

「今から病院に行く!」

電話を切るより先に、岩千先生が震える声で叫んだ。

「私も連れて行ってください」