熱情滾るCEOから一途に執愛されています~大嫌いな御曹司が極上旦那様になりました~

「成輔さんと、だったんでしょう?」
「百合も知ってたの?」

私は驚いて湯舟から上半身を飛び上がらせた。百合がくすくす笑う。

「うん。成輔さんから事前に聞いてた。黙っててねって口止めもされてたよ。成輔さんは十年も前からお姉ちゃんが好きだったし念願のお見合いだったんじゃない?」
「意味がわからない」
「院田流と関係なく、お姉ちゃんと結婚したいんだよ」

百合は見てきたかのように言う。
私が結婚を拒否したら、成輔は本当に百合と結婚するだろうか。成輔の結婚へのスタンスがわからない以上、確信が持てない。でも、有り得ないとは言い切れない。
そうなると百合は降ってわいた結婚話にさぞ困惑するだろう。
院田流の未来の家元である百合。父の仕事のサポートに、自身の作品作り。百合がお稽古の先生をすることもある。
百合の未来をあの何を考えているかわからない男に任せてたまるか。

「百合に苦労はさせらんないわ、お姉ちゃん」
「ん? なに、どういうことなの?」
「まあ、大丈夫。大丈夫よ」
「意味がわからないわ。結局、お見合いの結果は? 成輔さんとはどうなったの?」

首をかしげる百合に「前向き交際。半年後に交際解消」と返しつつ、私は思った。
成輔の真意を探ろう。
本当に院田家と縁を結びたいだけなのか。それとも他に理由があるのか。
どちらにしろ、交際という名目でしばらくは会わなければならないのだから。

「お姉ちゃん、どういうことか余計にわからない」

百合が不満げな声をあげた。