「弟子だって、恋愛は自由でしょ」
「相手が私だったのもよくなかったみたい。『お世話になっている院田流の後継者に手を出すとは何事だ』ですって。ふふ、まだ手なんか出してもらってないのに」
百合は苦しげに笑ってごほごほと咳き込んだ。
上半身を起こした方が楽だろうと、百合の身体を支えて起こす。
「でもね、結局決断したのは岩千先生なの。私を選んでくれなかった。岩水先生のお言いつけを選んだの」
百合は寒そうに身体を震わせている。悪寒がきているのかもしれない。私は手近の半纏をかけ、一生懸命妹の背中をさすった。
落ちくぼんだ瞳からぽろぽろ涙がこぼれる。
「百合、百合」
見ていられなくて私も涙がにじんできた。大きなお腹がつっかえるけれど、必死に百合を抱きしめる。
「お姉ちゃん、ごめんね。これから赤ちゃん産まなきゃいけないのに。私が寝込んでたら、手伝えない。早く治すから」
「いいの。そんなこといいの。今は何も考えずゆっくり休んで」
「何も考えないって難しいね。眠ってしまいたいのに、身体が苦しくて眠れないし。早くラクになりたいなあ」
それは身体の苦痛だけじゃない。心の苦痛もだろう。
私は百合を寝かせ、彼女がうとうととするまでずっとお腹のあたりをぽんぽんとさすっていた。子どもの頃そうしたように。
「相手が私だったのもよくなかったみたい。『お世話になっている院田流の後継者に手を出すとは何事だ』ですって。ふふ、まだ手なんか出してもらってないのに」
百合は苦しげに笑ってごほごほと咳き込んだ。
上半身を起こした方が楽だろうと、百合の身体を支えて起こす。
「でもね、結局決断したのは岩千先生なの。私を選んでくれなかった。岩水先生のお言いつけを選んだの」
百合は寒そうに身体を震わせている。悪寒がきているのかもしれない。私は手近の半纏をかけ、一生懸命妹の背中をさすった。
落ちくぼんだ瞳からぽろぽろ涙がこぼれる。
「百合、百合」
見ていられなくて私も涙がにじんできた。大きなお腹がつっかえるけれど、必死に百合を抱きしめる。
「お姉ちゃん、ごめんね。これから赤ちゃん産まなきゃいけないのに。私が寝込んでたら、手伝えない。早く治すから」
「いいの。そんなこといいの。今は何も考えずゆっくり休んで」
「何も考えないって難しいね。眠ってしまいたいのに、身体が苦しくて眠れないし。早くラクになりたいなあ」
それは身体の苦痛だけじゃない。心の苦痛もだろう。
私は百合を寝かせ、彼女がうとうととするまでずっとお腹のあたりをぽんぽんとさすっていた。子どもの頃そうしたように。



