代わりに私は成輔の横顔を見つめて言った。
「私じゃ、そのがっかり、埋められない?」
「……ちゃんと埋めてもらってる」
成輔の口角が上がり、空気も雪が解けるように緩んだ。
「俺の中のどうしても寂しい部分は、昔から葵が埋めてくれてる。俺にはこの子しかいないって思ってから、ずっと。今は俺の隣で笑っていてくれるし、お腹では俺の赤ちゃんを育ててくれている。だから、今回の母の件もがっかりしたのは本当に一瞬だったよ」
「それなら、よかった」
「次の瞬間にはきみのことを考えてた。すぐに葵で心がいっぱいになった。きみだけが俺を癒してくれる」
マンションが見えてきた。成輔はハンドルを切り、敷地内の駐車場に車を入れた。
「強くてマイペースで、独特な葵。きみは唯一無二の俺の女神なんだ」
「ま~、愛の言葉のオンパレード」
「愛してるよ」
「私もですけど」
車を完全に停止させ、笑い合う。それからどちらともなく唇を重ねた。
この人が寂しい気持ち感じる暇などもう与えない。
私がこの人のすべてになる。全部埋めて、私だけにしてしまおう。
私と生まれてくる子どもで、彼を幸せにしよう。
そう、私は硬く心に誓った。
「私じゃ、そのがっかり、埋められない?」
「……ちゃんと埋めてもらってる」
成輔の口角が上がり、空気も雪が解けるように緩んだ。
「俺の中のどうしても寂しい部分は、昔から葵が埋めてくれてる。俺にはこの子しかいないって思ってから、ずっと。今は俺の隣で笑っていてくれるし、お腹では俺の赤ちゃんを育ててくれている。だから、今回の母の件もがっかりしたのは本当に一瞬だったよ」
「それなら、よかった」
「次の瞬間にはきみのことを考えてた。すぐに葵で心がいっぱいになった。きみだけが俺を癒してくれる」
マンションが見えてきた。成輔はハンドルを切り、敷地内の駐車場に車を入れた。
「強くてマイペースで、独特な葵。きみは唯一無二の俺の女神なんだ」
「ま~、愛の言葉のオンパレード」
「愛してるよ」
「私もですけど」
車を完全に停止させ、笑い合う。それからどちらともなく唇を重ねた。
この人が寂しい気持ち感じる暇などもう与えない。
私がこの人のすべてになる。全部埋めて、私だけにしてしまおう。
私と生まれてくる子どもで、彼を幸せにしよう。
そう、私は硬く心に誓った。



