熱情滾るCEOから一途に執愛されています~大嫌いな御曹司が極上旦那様になりました~



成輔と私が初めて出会ったのは親同士の会食で、私は小学二年生、妹の百合は小学一年生だった。

院田流とは蜜月の風尾グループ。古い時代の院田流は、名門商家・風尾家に支えられ華道流派として大成したと言う。今でこそビジネスパートナーの関係だが、代々の当主は交流が深い。

中学一年生の成輔は、私から見たら素敵なお兄さんだった。
焦げ茶色の髪も、涼やかな二重も、おとなびていた。テレビで見る歌って踊るアイドルより格好いい。
会食やパーティーで会うたび、成輔は私と百合と遊んでくれた。兄ができたようで嬉しく、私も百合も成輔が大好きだった。

母の言う通り、私の初恋は成輔だったのだと思う。
とびきり優しくて、格好良くて、最高のお兄ちゃん。いつか彼のお嫁さんになれたら。そんな夢を見る程度に私も可愛い少女だった。

しかし、子ども時代の五つの年の差は大きかった。
小学校四年生の頃、学校帰りに成輔が女の子とデートをしている姿を見た。
名門私立の中高一貫校に通う成輔は、同じ学校の女の子にモテていた。私が通う小学校が近かったのもよくなかった。仲良さそうに手をつないで歩く成輔と女の子をしょっちゅう見かける。
相手の女の子は定期的に変わった。今思えば中学生なんてそんなものだし、成輔ほど格好よければ、寄ってくる女子は絶えなかっただろう。