熱情滾るCEOから一途に執愛されています~大嫌いな御曹司が極上旦那様になりました~

「うーん、恥ずかしいからあんまり言いたくないんだけど」
「前、一晩かけて語るって言ってたけど」
「あー……そうでした」

成輔は一瞬言い淀み、それからおずおずと口を開いた。

「俺が高校一年の頃だから、きみは小学五年生かな」
「うん」
「俺が小さい頃に家を出て言った母親から数年ぶりに連絡があったんだよ。再婚するって」

成輔のお母さんについては、両親や本人から少し聞いている程度だ。
有名な大学教授の娘だそうだけれど、奔放な性格で、大企業風尾グループの社長夫人という立場が嫌になったのか、成輔が小学校にあがる前に家を出てしまったそうだ。

「オーストラリアで伯母夫妻の世話になっているとは聞いていたけど、現地の男性と結婚するって言われて、俺はまあまあヘコんじゃってさ。もう十六だったし、ろくに思い出もない母親だけど、俺はいつか日本に戻ってきてくれて、置いて行ったことを謝ってくれるもんだと勝手に思っていたんだ」

それは子どもとして当たり前の感情ではなかろうか。
親からしたら違うかもしれないが、子どもにとって親は唯一無二。離れても自分を想っていてほしいし、愛していてほしい。自然な欲求だ。

「それでまあ、ちょっと家に戻らず年上の友達と遊びまわったりしていた時期があったわけ。親父とも険悪でさ」