教室後方のドアを少しだけ開いたときに見えたのは廊下を行き来する沢山のゾンビたちの姿だった。
生徒だったり、先生だったりするけれどみんな同じように肌がボロボロに崩れていて、フラフラとさまようように歩いている。

四条姉妹はゾンビたちの姿を見て強く身震いをした。
今から明宏と千歳が食料を取ってきてくれるから、ふたりは物音を立てる役割を買って出たのだ。

自分たちだけなにもせずに待っているなんてできない。
「ドアを開けたら椅子を床に叩きつけて大きな音を出すんだ。ソンビたちの意識がそっちに向いている間に俺たちは前方のドアから外に出る」

明宏と千歳の2人はすでに前方のドアの前で待機していた。
手に持っているのは心もとない武器だけ。

それを見ているともしかしたら2人とこうして会話できるのはこれが最後かもしれないという気持ちがこみ上げてきた。
「2人共ごめんね、私達のために」
お団子頭の青葉が震える声で言う。