ーードクン!

そこで思わず心臓が跳ねる。
と、同時に私は嫌な予感がした。





​───────ん?​───────


そういえば…、心臓マッサージの次、って…

次、って…………

「・ ・ ・」

「はっ!」

その時。ゆうちゃんが人形に顔を近付け、
人形の唇にキス(人工呼吸)をしたのだ。

「う、そ……」

いてもたってもいられず思わず紗知につかみかかった。

「紗知……っ、ゆうちゃんが、き、き、き、キスしてる!!」

「キス、っていうか人工呼吸ね?あ、やば!もう授業始まるよ!」

「えっ、でも……っ、」

「ほら行くよ!」

時間に追われるようにして、渋々私達はその場を後にした。

音楽の時間。私は半泣きだった。

そして迎えた休み時間。

私は紗知に泣きつく。

「わーん。人形に先越されたー」

ショックだった。

あんな……っ、私がいる前で…っ、
まぁこっそり覗いてただけだけど……。

「人形に嫉妬してどうすんの」

「嫉妬なんてもんじゃないーーーー!これは…っ、」


そう。

これは​───────​──…

震える声で私は言う。


「…………………………妬み、よ」