「大丈夫ですか…っ」

「……っ」

顔がカー!と赤くなるのを感じる。

だ、だ、だ、だって!

今私ゆうちゃんの胸の中!

「ごめん!大丈夫!ありがとう……っ」

バックンバックンの心臓と共にゆうちゃんから距離をとる私。

途端に前にゆうちゃんちに行った時のことを思い出す。

ベッドに押し倒されて、その時のゆうちゃんがあまりにかっこよくて…それは今でも脳裏に染み付いていた。

「なら、良かったです」

「……あ、、あれ?ゆうちゃん。タピオカは?」

さっきまで抹茶タピオカを飲んでいたはず……。

「あっ、落としちゃいました」

「え?」

ゆうちゃんの視線の先を見ると芝生の上でタピオカが転がっていた。

液体がゴポゴポと外に流れ出ている真っ最中。

「わ!私のせいじゃん!ご、ご、ごめん!」

私が滑ったりするから!

「タピオカより先輩の方が大事ですから」

な、な、な、ななんてスマートなんですか!?
私の彼氏は!

「あっ、じゃあこれ!飲んで!!」

申し訳なくて私は自分の分のピーチタピオカをゆうちゃんに差し出す。

「え!?」

するとゆうちゃんは口元を押さえ、驚いたように後ずさりした。