ここなは、寮の近くにビーチがあるときいた。ゆなにその話をした。ゆなはここなに連れられ、寮のお姉さんにビーチの場所を聞きに行った。マリンビーチというとこだった。
 寮のお姉さんは夏場は海の家をやっているといった。寮の女子大生に手伝いを頼んでいる、といった。ここなは、ぜひ、海の家の手伝いがしたいといった。お姉さんは承諾した。
 ゆなは、ここなと一緒にビーチへ行った。3月の寒い日だった。海は紺色で冷え冷えとしていた。寒いので、二人はすぐ後にした。
 5月にゆなと、ここなはまたビーチへ行った。もうかなり暑かった。天気は良く、晴れていた。海は日光に照り輝いていた。砂は金色だった。ゆなは汗をかいていた。青春の香りがした。ここなも汗をかいていた。青春の香りがした。
 大工さんが何か建てていた。
 「ちょっと海に入ってみようか」
 と、ここながいった。
 「う、うん」
 ここなは、靴を脱ぎ、靴下を脱いだ。ゆなも靴を脱いで、靴下を脱いだ。ここなが、海に素足を入れた。ゆなも海に素足をいれた。ひんやりしていた。
 「冷たいね」
 と、ここながいった。
 「う、うん」
 二人は足を海に入れたり、後ずさりしたりを、繰り返した。ここなは小麦色の肌。汗で美しく光っていた。ゆなは色白。汗で美しく光っていた。青春の香りがした。
 二人は何度もそうしてきゃっきゃっいった。
 「ねえ」
 と、ゆな。
 「ん」
 と、ここな。
 「私も海の家の手伝いしようかなあ」
 「ほんと?」
 と、ここな。
 「うん」
 二人は砂浜に座った。