アリス人形

辺りが静まり返る。

「ゃったあ…。」

ハリネズミは、とびっきりの笑顔を亜里珠に向けた。

「アリス…アリスだぁ…アリスがいる…。」

モノクロの針が亜里珠の手の甲を引っ掻き、そこから新鮮な血がにじみだす。
それに気付いたハリネズミは、モノクロの針の塊を脱ぎ捨て、亜里珠の上半身を起こした。赤く染まった手に優しくキスをする。

「アリスだぁ…アリス…ずっと僕と一緒だよ。」